【バルマン】ヴァレンティノ 2023-24年秋冬ズコレクション、“ブラックタイ”を再定義

バルマン

ヴァレンティノ(VALENTINO) 2023-24年秋冬コレクションが、フランスパリで発表された

“ブラックタイ”をテーマに

ヴァレンティノ 2023-24年秋冬ズコレクション、“ブラックタイ”を再定義|写真9

クリエイティブ ディレクターのピエールパオロピッチョーリが、今季のテーマに掲げたのは「ブラックタイ」文字通り“黒ネクタイ”を全てのルックに取り入れたコレクションとなるバルマン 半袖 コピーファッションの歴史を遡ると、伝統的な紳士服のひとつのコードであるが、今季はそんなあらゆる制約を取り払い、ステレオタイプから解放させる要素として再定義している

ホルターネックのミニドレス

ヴァレンティノ 2023-24年秋冬ズコレクション、“ブラックタイ”を再定義|写真1

ファーストルックは、そんな今季のムードを体現するシンボリックなピースであったシャツ×ブラックタイという既視感のあるコンビネーションを、ホルターネックのミニドレスで再解釈襟元のネクタイから一繋ぎのように、ドレスを仕立てているのが印象的だバルマン メンズ コピーパンキッシュなムードでありながらも、ドレスのデコルテラインを滑らかに仕上げることで、確かな気品も宿している

フレッシュなアレンジを

ヴァレンティノ 2023-24年秋冬ズコレクション、“ブラックタイ”を再定義|写真84

この後も引き続き、ブラックタイ×シャツのスタイルは変わらず提案されるが、若々しくフレッシュなアレンジで、新しいファッションの在り方を示しているようだボトムスはトラウザーの代わりに、煌びやかなスパンコールやフェザーのスカート、時にはレオタードを重ねてまたメンズモデルの中には、斬新なほどマイクロ丈のテーラードパンツをスタイリングした若々しいルックも登場した

グラフィカルなモチーフ

ヴァレンティノ 2023-24年秋冬ズコレクション、“ブラックタイ”を再定義|写真9

ブラックタイ×白シャツのコードは、グラフィカルなモチーフとしても置き換えられている斜めに配した白×黒のラインはロングジャケットや、シャツを大胆に横断し、ダイナミックな表情に中にはフェザーを加えることで、デコラティブな表情へと昇華させた、遊び心溢れる2ピースも登場した

優雅なイブニングスタイルも

ヴァレンティノ 2023-24年秋冬ズコレクション、“ブラックタイ”を再定義|写真98

ショーの終盤に差し掛かると、これまでのパンキッシュなムードとは一転、ドレッシーなイブニングスタイルがランウェイを席巻するスパンコールやビーズの煌めきをのせたロングドレスは、シャツのディテールを残しながらも、大胆なスリットやラグジュアリーなファブリックで、とびきりセクシーな一着にまたシンプルながらも首元に下がるブラックタイが、過剰なアクセサリーに代わり、グッと色気を高めるエッセンスとなる

新「ロックスタッズ」をアクセントに

ヴァレンティノ 2023-24年秋冬ズコレクション、“ブラックタイ”を再定義|写真90

そのほかメゾンのアイコン「ロックスタッズ」が新たに再解釈され、よりエッジィな表情に今季の“ヴァレンティノ ブラックタイ”のアクセントとして、様々なルックに取り入れられていた

【シャネル】ターク 2023年秋冬コレクション – 〈強度〉、あるいは突き刺す細部の魅惑

シャネル

ターク(TAAKK)の2023年秋冬コレクションが発表された

突き刺すような〈強度〉

ターク 2023年秋冬コレクション - 〈強度〉、あるいは突き刺す細部の魅惑|写真27

衣服の〈強度〉とは──タークのデザイナー森川拓野の服作りの根底には、「強い服」の探究があるようだ今季、こうした〈強度〉へのアプローチの起点となったのは、フィンセントファンゴッホの絵画の前に立ち尽くした経験であったという具象的な主題を描いたその画面には、細部に目を凝らすならば、厚塗りの絵具が持つマティエール、蠢くようにうねる筆致が立ち現れ、抽象的な表現と見紛う印象を与えるいわば細部が有する感覚的な力強さが、タークの〈強度〉に底流することになる

ターク 2023年秋冬コレクション - 〈強度〉、あるいは突き刺す細部の魅惑|写真13

ファンゴッホの細部に突き刺されるような力強さを感じたのならば、タークはむしろ、ファブリックの構造という微視性を豊かな肌理という巨視性へと転換するシャネル ネックレス コピーファンゴッホのうねるような筆致を彷彿とさせる、ほつれたようなステンカラーコートやブルゾン、あるいは立体感のある凹凸で流線的なパターンを表したチェスターコートやノーカラージャケットなどは、オリジナル素材をベースとするタークの服作りへと、微視性と巨視性の往還を反映したものだといえる

ターク 2023年秋冬コレクション - 〈強度〉、あるいは突き刺す細部の魅惑|写真1

タークが得意とする、異なる種類のアイテムと素材を徐々に移ろわせる手法も、抽象絵画を彷彿とさせる表現でもって展開されているテーラードジャケットからMA-1ブルゾンへと移ろうジャケットは、色彩豊かな抽象模様のジャカードからナイロンへと変化2022年秋冬に登場したフェイクレザープリントは、グラデーションをより細かに表現し、クラシカルなロングコートやジャケットに用いた

ターク 2023年秋冬コレクション - 〈強度〉、あるいは突き刺す細部の魅惑|写真3

また、タークを代表する素材である、ダメージ感をジャカードで表現したデニムは、今季はワークジャケットやデニムパンツにとどまらない多様なアイテムで展開されているそれはたとえば、ドロップショルダーで仕上げたチェスターコートであり、シャネルジャケットを彷彿とさせるストレートなラインのノーカラージャケットであるいずれも、ダメージという細部に光をあて、織物の構造で再現し、それをコートといった衣服に大胆に用いることで、細部が持っていた存在感をより引き立てている

ターク 2023年秋冬コレクション - 〈強度〉、あるいは突き刺す細部の魅惑|写真16

最後に、細部が有する〈強度〉への補助線として、20世紀フランスの批評家ロランバルトの著書『明るい部屋』における「プンクトゥム」を引きつけたいシャネル スニーカー コピー写真をめぐる経験を分析するうえでバルトは、文化的なコードにしたがって写真を受容する「ストゥディウム」に対して、一般的な概念の体系を揺さぶりそれを破壊する、コード化不可能な細部を見出してしまう経験を「プンクトゥム」と呼んでいるそしてそれはバルトにとって、「愛する」という次元にあるものであった翻って今季のタークにおいては、有無を言わさず突き刺すような細部に魅惑され、それをファブリックの豊かな肌理へと転換することで、〈強度〉の探究がなされているように思われる